長々と続いてしまった、今年の阪神駅弁大会レポートもこれがようやくラスト。そのトリを飾るのは米原駅・井筒屋の「湖北のおはなし」。
今回はいろいろと「駅弁らしさ」について駄文を書いてしまいましたが、この駅弁ほど、その駅弁らしさを体現している品は無いと言っても過言ではありません。
まず唐草の風呂敷に包まれたパッケージが良いですね。効率性命のコンビニ弁当ではあり得ない眼福です。
そして弁当箱の中は竹のすだれという凝ったもの。すだれはこのまま巻きすとしても使えそうです。
おかずは、鴨の粒胡椒ローストに鶏の鍬焼き、小芋煮、玉子焼き、桜エビと大豆の煮物、玉こんにゃくの煮物、ヤングコーン、ネギと薄揚げのぬた、山ごぼうの漬物 赤カブの漬物 梅干し、サイコロに入った飴と、山の幸が盛りだくさん。
どれも出来合いではなく、地元の品をきちんと調理された素朴ながらも滋味に富んだ料理ばかりで、食べた後でもしっかりと味の印象が残ります。
そして季節で変わるおこわは黒豆入り。モチモチのおこわの下には桜の葉の塩漬けが敷かれていて、香りと防腐作用を両立させています。
この駅弁は以前にも食べてますが、やはりプレゼンテーション、地方性、防腐と味を両立する工夫という、駅弁ならではの要素を全て高いレベルで兼ね備えた傑作ですな。どうもご馳走様!