もはや大阪のミナミ全域が、アジアからの観光客をターゲットにしたテーマパーク化している昨今ですが、かろうじて相合橋筋商店街の付近だけは、かつての”ミナミ”の雰囲気を残していると言えましょう。
そんな場所には、これまた大阪では伝統的な居酒屋メニューである、食材を串に挿して「コテ」で押し付けるように焼く鉄板焼きである「くわ焼き」を出す店が似合います。
同じくわ焼きを売りにしている「たこ政」という店が法善寺横丁にありますが、どちらも創業60年を超える老舗で、値段は若干「たこ坊」のほうがお求めやすくなっています。
入店して席に座ると、串を載せる皿とキャベツが入った器、ソース入れが置かれ、卓上には塩、ソース、醤油、辛子があります。
店内は白木のカウンターで、年配の料理人がズラリと並んで次々に注文された品を焼いていきます。
面白いのは、くわ焼きと同じ材料でフライにした品もある事で、エビ焼きにエビフライ、イカ焼きにイカフライなどと、好みによって選べるのが楽しいですね。
ではどんどん料理を紹介していきましょう。
まずは店のスペシャリテである穴子。1本まるまる焼かれて串に差してあり、鉄板焼きならではのムッチリと締まった食感が抜群です。
創作系の数々、パンにエビのすり身を埋めて揚げたエビパン、豚肉を薄焼き卵で包んだ「とん平」、香味野菜が入った鶏ミンチを揚げた「オランダ」、牛ロースベーコン巻きに玉ねぎ。
こちらは海鮮、プリッとしたエビフライに、大葉で巻いたキスのフライ、美しく太い部分で切りそろえられたゲソ、海鮮じゃないいけどナスの田楽。
ここから肉系、くわ焼きの定番レンコン肉詰めに、間にこんにゃくが入った鶏皮、鶏手羽にじゃがいもを詰めたチキンポテトの外見と内部。
ガッツリ派には必須の若鶏もも唐揚げ、卵管部分だけ焼かれる鶏のたまひも、タレで焼かれた牛タン、バラ肉の豚焼。
唐揚げ以外はどれもサイズ小さめで、純粋なコストパフォーマンスはそれほど高くありませんが、単なるコテコテじゃない本来の大阪ミナミの空気が味わえる価値は、何物にも代えがたいです。
大阪に観光でいらっしゃるのならば、新世界の串かつなんかじゃなくて、こういう店で食べて帰っていただきたいですね。
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