この店の名声は相当な昔から聞き及んでおりましたが、太田和彦の「居酒屋大全」など何度もマスコミに登場する超有名店なのと、アクセスの悪さ、周りのつぶしの効かなさでずっと尻込みをしておりました。
しかし予約すれば確実に入れるという事に最近気づき、えて吉さんを道連れにして訪問してみたところ、やはり噂に違わぬ素晴らしさである事を実感、そこから間をあかずに通って本サイトに掲載の運びとなりました。
場所はJR南田辺駅を東に出たすぐのところにありますが、周りは小さな商店街とコンビニがあるくらいの閑散とした雰囲気で、およそ人で賑わう場所ではありません。しかしこの店の中だけは祭りのように活気に満ち溢れているのが何とも不思議です。
店はテーブル席とカウンターで30人そこそこが入れる感じですが、厨房の中は常時5人ぐらいの人が忙しく立ち働いており、中でもカウンターの真ん中に陣取って、注文を聞いたり焼き物を焼いたり、調理の指示や電話の応対まで大車輪でこなしている若女将の久美子さんの存在感は圧倒的です。
つーか、人によってはぶっきらぼうとか押し付けがましいとか怖いとか感じるかもしれませんが(笑)、個人的には嫌いじゃないですね。まあ身近に同じタイプの方がいらっしゃるってのもあるんですが・・・ゲフゲフ
居酒屋の場合、写真のファイル数削減のために4枚を1枚にまとめてブログに掲載したりするのですが、これだけの名店なので今回は1品ずつ紹介する事にします。
まず突き出し代わりに勧められる「小鉢」。炊合せが4種類ぐらい盛られるのですが、いたや貝に鱧の子が甘めの香り高い出汁で煮含められてたまりません。かぼちゃにちゃんと火が通っているのにエッジがこれだけ立っている技も凄いです。
鯖のきずしにおからを合わせた名物の「さばからまぶし」。何とも日本酒が進む名品です。
小芋煮にはちゃんとゆずの皮をおろしたものがかけられて芸が細かいですね。
あっさりした鶏団子も当然自家製でプリプリ。
おでんは肉系が練り物しか入ってないのに味が深いです。出汁がいいんでしょうね。
鯛とイカ、マグロの刺し身。マグロは血の味がする本マグロの赤身、鯛も熟成されて旨味十分です。
磯の香りが立ち上るアサリの酒蒸し。
シャキシャキのワケギが楽しい「ぬた」。こういう何でもない品にこそ、店の真価が現れていると言えます。
鯛の細切りをたっぷりのみょうがとキュウリ、紅蓼で和えた「鯛酢の物」。箸休めに絶好です。
こってりした味噌で焼かれた茄子の田楽も大ぶりで食べごたえがあります。
焼き物に移ってまずはパリッと香ばしく焼かれた焼き鳥。こんな大ぶりの串2本で200円とは信じられません。玉ねぎも甘~い。
鶏肝も程よい火の通りでプリっと焼かれて、甘辛のタレが良く合います。
専門店顔負けのうなぎ蒲焼き。直火焼きでカリッと焼かれて香ばしい。
そして裏メニューの白焼き。強火で表面に浮き出た脂によって表面がクリスピーに焼き上がり、個人的には蒲焼きよりも好みです!
醤油味の鶏から揚げもボリューム満点。
たっぷりのマヨネーズが添えられたプリプリのエビフライは、このまま洋食屋で出てきてもおかしくない立派さ。
そして秋には絶対に外せない松茸の土瓶蒸し!
香り高い出汁に、これだけ大きな松茸やハモが入って値段はたったの600円ですからね~(@_@;)
「松めし」という符丁で呼ばれる松茸ご飯。具はたっぷりの松茸のみ。これで自家製のお新香付きで400円。自分で作るより安い?(笑)
いや、ここまでクォリティとコストパフォーマンスが両立している店は、私の少ない記憶からでは酒仙房金生@千鳥橋、松久@森小路ぐらいしか思いつきません。
阿倍野の明治屋が移築してハリボテになってしまった現在、この店が大阪No.1の居酒屋と呼んでも過言でないような気がしますね!
詳細は「大阪・関西のB級グルメガイド 最近の更新店」
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夜総合点★★★★☆ 4.5
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