前回から続く、「レストラン・トミーへ福井日帰りランチ旅」。
いよいよ、ishさんが大絶賛したらしいドミグラスソースを使ったシチューの登場。
単品ではタンシチューとビーフシチューがあったので、どちらにするか悩んだのですが、別のメニューを見ると両方がセットになったものがあったので迷わずそちらをオーダー。
出てきたシチューは、カメラの色調バランスがおかしくなったのではと思ってしまうぐらいの漆黒! 大阪天満宮のぐりる樹林亭や塚本のマルヤなどや黒いドミグラスソースを出す店はありますが、ここまで異質な黒さのものは見たことありません。
何で同じ黒でも全く違う印象を受けるのかというと、この店のドミグラスソースは、小麦粉を炒めたブラウンルーを全く使ってないんですよね。なので、写真を見ると分かる通り、普通なら光を吸収するはずのソースに光が反射しています。
マダムのお話によると、ブラウンルーも使わず継ぎ足しもしておられないという事で、ほぼワインのみでこの黒さを出すのにどれだけの手間、時間がかかっているか想像しただけで気が遠くなります。
そして食べてみると、ゴロリと大きなタンとすね肉はホロホロと柔らかく、そこに深いワインのコクと重厚でビターな味わいのソースがまとわり、こりゃ美味くないわけありませんよね~。ボトルで頼んだ赤ワインがあっという間に無くなったのは言うまでもありません。
ルーを使ってないので重厚ではありますがくどさ、しつこさが無く、こんなソースはいくら時間と金を与えられても自分で作れる可能性なんてこれっぽっちも想像できません。残ったソースもパンを頼んで綺麗に掃除しながらいただきましたよ。
こちらは角切りのタンがゴロゴロ入ったコロッケ。コロッケの中が半分ぐらいタンじゃないかというぐらい身がみっしり詰まっていて、下手な店のタンシチュー1人前分ぐらい入っているのではと思ってしまいます(笑)。
もう結構酒が入って断面を撮り忘れてしまったのが残念・・・しかしこれ2個とサラダ、ライス、デザート、コーヒーが付いた週替りランチなんかたったの1350円ですからね・・・
最近はどこの洋食屋もドミグラスソースは軽く、トマトを使ったフルーティなタイプが増えており、確かにそのほうが楽で一般受けはするんじゃないかと思います。なのに、こんな好き嫌いのありそうな割に手間とコストばかりかかるソースを未だに作っているのは、店自身のこだわりもあるでしょうがこのソースで無ければならないお客さんが一定量存在しているからでしょう。
そういう店がもう関西からはほぼ絶滅してしまい、決して都会とはいえない福井の地でしっかり受け継がれているのはとても不思議で、そして羨ましい気持ちがします。
別の意味で不思議といえば、こちらのカレー。これだけ濃いドミグラスソースをカレーに使ったらどんなものが出て来るのかと期待したら、実はドミグラスソースベースではなくてちょっと薄甘いカレー粉を炒めたようなルーが出てきて驚きました。
昔から作り方を変えてないとおっしゃってましたが、食品会社が家庭用カレールーを開発する前は、きっとこんなカレーが普通だったんだろうなと思ってしまいました。
3人でワインも空けてビールも3本ぐらい頼んで結局1人4500円。料理のクォリティとボリュームからすると破格のお値段と言っていいでしょう!
いや本当に、現代では奇跡と呼べる素晴らしい洋食を堪能させていただきました。わざわざ福井まで足を運んだ甲斐がありましたよ。どうもご馳走様でした!
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